小卵胞採卵とは|10mm未満の小さな卵胞からも採卵

小卵胞採卵

10mm未満の小さな卵胞からも採卵

新橋夢クリニックでは、主席卵胞だけでなく、採卵可能な小卵胞からも卵子の回収を行っています。小卵胞から得られる卵子について、成熟卵・胚発生・妊娠・出生まで研究を重ねてきました。

10mm未満 採卵可能な小卵胞も対象
低刺激 必要以上の卵巣刺激を行わない
22G 極細採卵針で身体的負担に配慮
01 SMALL FOLLICLE RETRIEVAL

小卵胞採卵とは

卵胞は、最初から1つだけが大きく育つわけではありません。1回の月経周期に複数の卵胞が発育を始め、その中から最も大きく発育した卵胞が「主席卵胞」となります。

一方、主席卵胞以外にもさまざまな大きさの卵胞が存在します。当院では、一般的に採卵の対象となる大きな卵胞だけでなく、10mm未満の採卵可能な小卵胞からも卵子の回収を行っています。

卵胞の大きさと卵子の成熟度は必ずしも一致しません

大きな卵胞でも必ず成熟卵が得られるとは限らず、小さな卵胞から成熟卵が得られることもあります。そのため当院では、主席卵胞だけでなく、採卵可能な小卵胞についても卵子の回収を行っています。

主席卵胞と10mm未満の小卵胞から採卵する小卵胞採卵のイメージ
主席卵胞と小卵胞のイメージ。当院では主席卵胞だけでなく、10mm未満の採卵可能な小卵胞からも採卵を行っています。
RESEARCH 3~10mmの小卵胞からも成熟卵を確認

当院の研究では、3~10mmの非主席小卵胞から成熟卵が得られ、その卵子から出生に至った症例も報告しています。

02 WHO IS ELIGIBLE?

小卵胞採卵の対象となる方

対象 主席卵胞以外に採卵可能な小卵胞がある場合は、小卵胞も採卵の対象としています。

年齢やAMHの値だけによって、小卵胞採卵の対象を限定しているわけではありません。その周期の卵巣の状態を確認し、主席卵胞以外に採卵可能な小卵胞があれば、そこからの卵子回収も行います。

すべての小卵胞から卵子が得られるわけではありません

小卵胞の大きさや位置などによっては卵子を回収できない場合があり、回収された卵子が未成熟の場合もあります。

03 WHY SMALL FOLLICLES?

なぜ小卵胞も採卵するのか

小卵胞の中にも成熟卵が存在する可能性があるため、当院では主席卵胞だけでなく、その周期に存在する採卵可能な小卵胞からも卵子を回収しています。

自然な卵胞発育で主席卵胞と複数の小卵胞が存在する卵胞選択の模式図
自然な卵胞発育のイメージ。主席卵胞が大きく発育する一方で、その周期には小卵胞も存在しています。

小卵胞採卵のために過剰な刺激を行うわけではありません 小卵胞採卵のために 過剰な刺激を行うわけではありません

当院では、自然周期・低卵巣刺激法を中心に、一人ひとりの卵胞発育に合わせて採卵を行っています。

小卵胞採卵は、小さな卵胞を大きく育てるために薬剤を過剰に使用するという考え方ではありません。その周期に自然に存在している小卵胞のうち、採卵可能なものからも卵子を回収することで、その周期に得られる卵子の可能性をできる限り活かします。

必要以上の卵巣刺激を行わない治療方針により、身体的負担にも配慮しながら治療を進めています。他の婦人科疾患などで治療上の制限がない場合は、月経周期ごとに採卵を行うことができます。

04 OOCYTE RETRIEVAL

小卵胞から卵子を採取する技術

10mm未満の小さな卵胞から卵子を回収するには、小卵胞を正確に穿刺し、卵子を回収するための技術が必要です。

当院では、小卵胞からの卵子回収を考慮して開発した22G・内径490μmの当院オリジナル採卵針を使用しています。

新橋夢クリニックの22G極細採卵針と一般的な20G採卵針の内径比較
当院オリジナル採卵針は22G・内径490μm。市販の一般的な20G採卵針(内径630μm)より細い採卵針です。
22G・内径490μm

当院オリジナルの極細採卵針を使用し、小卵胞からの卵子回収を行います。

卵子の直径は約120μm

卵子の大きさに対して必要な内径を確保しながら、小さな卵胞の穿刺を考慮した採卵針です。

患者さんの身体的負担にも配慮

採卵では、卵胞を穿刺する際に痛みや出血が生じることがあります。当院では22Gの極細採卵針を使用し、卵子の回収とともに、採卵時の身体的負担にも配慮しています。

小卵胞からの採卵には、医師と培養士それぞれの技術が重要です

小卵胞採卵は、単に小さな卵胞を穿刺すればよいというものではありません。小さな卵胞から卵子を回収するためには、採卵を行う医師と、回収された卵子を確認する培養士の双方の技術が重要です。

医師による採卵技術

小さな卵胞を22Gの極細採卵針で正確に穿刺し、卵子を回収するためには、細い針を適切に操作する技術が必要です。

培養士による卵子確認

小卵胞から回収された卵子は確認が難しい場合があるため、採卵した卵胞液の中から卵子を見つけ、適切に培養工程へつなげるための経験と技術が重要です。

このように、小卵胞採卵では採卵針の細さだけでなく、医師による採卵技術と培養士による卵子確認の技術を組み合わせることが重要です。

05 RESEARCH 2016

小卵胞から成熟卵は得られるのか

2016 Fertility and Sterility
3~10mmの非主席小卵胞から得られる成熟卵について Nondominant small follicles are a promising source of mature oocytes in modified natural cycle in vitro fertilization and embryo transfer
研究概要

自然周期IVFを行った771人を対象に、主席卵胞に加えて直径3~10mmの非主席小卵胞からも採卵を行った研究です。

771人 対象患者
902個 小卵胞由来の成熟卵
78出生 小卵胞由来卵子からの出生
この研究で分かったこと

3~10mmの非主席小卵胞からも成熟卵が得られ、その卵子から出生に至った症例が報告されました。

Fertility and Sterility. 2016;106(1):113-118. PubMedで論文情報を見る
06 RESEARCH 2019

小卵胞由来の胚盤胞は出生につながるのか

2019 Fertility and Sterility
小卵胞由来胚盤胞の妊娠・出生・新生児転帰について Pregnancy and neonatal outcomes of small follicle-derived blastocyst transfer in modified natural cycle in vitro fertilization
研究概要

30~40歳の患者1,072人を対象として、小卵胞(10mm以下)由来胚盤胞と、11mm以上の卵胞由来胚盤胞の移植後の転帰を比較した研究です。

1,072人 研究対象
597回 小卵胞由来胚盤胞移植
261出生 小卵胞由来胚盤胞
この研究で分かったこと

小卵胞から得られた卵子も、受精・胚発生を経て胚盤胞となり、出生に至ることが確認されています。小卵胞由来胚盤胞と11mm以上の卵胞由来胚盤胞との間で、出生や主要な先天異常の発生について統計学的な差は認められませんでした。

Fertility and Sterility. 2019;111(4):747-752. PubMedで論文情報を見る
法人名称について
上記論文の発表当時は「医療法人社団永遠幸」の名称でした。現在の法人名称は「医療法人社団ShinbashiART」です。
07 ACADEMIC ACTIVITIES

小卵胞採卵に関する研究・学会発表

新橋夢クリニックでは、小卵胞由来卵子の成熟、胚発生、妊娠・出生、小卵胞からの卵子回収方法などについて継続して研究し、国内外の学会・医学雑誌で報告しています。

監修医師

瀬川 智也 (せがわ ともや)
新橋夢クリニック 理事長・院長
医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療指導医
日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医