精子選別法について

遠心分離法とMIGLIS法の違い

当院では、卵子だけでなく精子の選別処理にも重点を置いています。
高速遠心分離を行わない最新の精子選別法を導入し、DNAダメージの極めて少ない精子の回収に努めています。

回収方法

遠心分離により、試験管の底部に集まった運動精子を回収

メリット

精子の回収率が比較的高く、ふりかけ法をご希望の場合に適しています。そのため、ふりかけ法を行う場合には、遠心分離法による精子処理をご提案しています。

デメリット

遠心操作を行うため、精子に物理的な負荷がかかる可能性があります。


回収方法

移動重力沈降法により、中央底部に集まった運動精子を回収

メリット

遠心分離を行わないため、精子へのダメージを抑えた処理が可能です。DNA損傷の少ない精子を選別できる可能性があります。

デメリット

遠心分離法と比べて回収率が低くなる場合があります。
そのため、ふりかけ法には適さない場合があります。
また、凍結精子には使用できません。

精子DNA断片化指数とは

精子DFI(sperm DNA Fragmentation Index)検査とは、DNAとタンパク質の複合体であるクロマチン構造に損傷がないかを調べる検査です。
DFI(%)は、総精子数に対する損傷精子数の割合を示します。

DFI(%)= 損傷精子数 ÷ 総精子数 × 100

当院データを用いた論文では、高度DFI(30%以上)の症例は全体の7.1%でした。高度DFI症例では、精子へのダメージを抑えた処理法としてMIGLISの使用が望ましいと考えられます。

出典
大久保毅ほか. BMC Urology. 2023;23:78.
Performing a sperm DNA fragmentation test in addition to semen examination based on the WHO criteria can be a more accurate diagnosis of IVF outcomes.

精子への負担を抑えた精子選別

当院では少しでも良好な妊娠成績につなげるために、精子へのダメージをできる限り抑えた精子選別を行っています。

精子は処理の過程で負担がかかり、DNA損傷を受けることがあります。
DNA損傷精子の割合を低く抑えることで、以下のような可能性が期待されます。

  • 受精率の向上
  • 胚盤胞発生率の向上
  • 流産率の低下
  • 健康な出産につながる可能性

精子所見や治療歴などをふまえ、必要に応じて精子への負担を抑えた選別方法をご提案しています。

DNA損傷がある精子を判別する
SCD test(Sperm Chromatin Dispersion test)
選別前15.4%、遠心分離精子選別法4.7%、非遠心分離精子選別法2.0%
選別前
遠心分離
精子選別法
非遠心分離
精子選別法

当院データを用いた論文より